令和6年度「家庭の日」「オアシス運動」の作文・ポスター最優秀作品が決定!
県民会議では、「家庭の日」、「オアシス運動」を広げるために、皆さんが感じたことや経験したこと(自分や家庭、地域や学校ではこういうことをしているとか)などについて、作品を募集しました。
令和6年度「家庭の日」「オアシス運動」の作品募集は、2,000作品の応募があり厳正なる審査により入賞者が決定しました。
作品展
(1)日時
令和7年1月13日(月祝)~19日(日)
10:00~18:00(初日12:00から、最終日は16:00まで)
(2)会場
アクロス福岡 2階 メッセージホワイエ
福岡市中央区天神一丁目1番1号
作品表彰式
(1)日時
令和7年1月19日(日)13:30開会
(2)会場
アクロス福岡 6階 607会議室
(3)日程
13:30~ 開会
13:35~ 主催者挨拶
13:40~ 表彰状授与
作品講評
14:30~ 閉会
記念撮影
令和6年度「家庭の日」の「オアシス運動」最優秀作品
作文の部最優秀賞🏆
福岡県立嘉穂高等学校附属中学校 3年 平岡 志帆
春が訪れたあの瞬間
「おはようございます」私は朝早くから校門坂を行き交う人や車にあいさつをする。時々、車の窓から顔を出して「今日もがんばってね」と言ってくれたり、あいさつを返したりしてくれる人がいると、とても嬉しくなる。私が所属している部活動では、休日の練習が始まる前に十五分間の掃除をしている。私は一年生の春、掃除場所が発表されてとても落ち込んでいた。部員の八割以上が部室のそうじやカーペットのほこり取りをしているのに私は靴をはいて校門坂まで行かなくてはいけないのだ。その上、車や人が来たら大きな声であいさつをしなくてはいけなくて、正直めんどうだと思っていた。しかし、一年生の冬あることがきっかけで校門坂の掃除が少し好きになった。それは、寒くて寒くて凍りそうな日の朝だった。私はいつも通り校門坂の掃除をしていた。一台の車が来たので、いつも通り大きな声であいさつをした。すると、私の目の前で車が止まり、車の窓が開いて、「こんなに寒いのに朝早くからありがとう」と言われた。私は、その瞬間、凍りそうな手足があたためられるような、ポカポカした気持ちになった。
私は、この経験をきっかけに、あいさつのしかたが少し変わった。それまでは、先輩に怒られないように、とりあえず大きな声であいさつをしていた。しかし、この経験のあと、私は車の中にいる人に届くように大きな声であいさつをするようになった。まわりから見ると、声の大きさは変わっていないため、変化は分からないと思う。しかし、私の中では本当に以前とは全く違うあいさつになった。
それから数ヶ月後、春になり校門坂の桜が満開になった。朝から大きな声であいさつをする。心があたたかくなる。たまに横を通る人にびっくりされることもあった。しかし、私は大きな声であいさつを続ける。絶対に気持ちが込もってないあいさつだけはしたくない。そう思って、どんなにたくさん車が来ても、一台一台にあいさつと礼をする。たまに車がたくさん来すぎて掃除があまりできないこともあるけれど、それはそれでいいかもしれない。ずっと心があたたかくなって、心にも桜が咲いて、春が来たような気分になる。
はじめは、本当に大嫌いだった坂掃除も、今では本当に大好きになった。坂掃除になっていなければ、私は今でも先輩に怒られないようにひたすら大きな声であいさつをしていたと思う。今考えると、はじめてあいさつのあたたかみを知ったあの日までは、実際の季節に関係なく、心はいつも寒くて乾燥した冬だったかもしれない。しかし、今は違う。寒くて凍りそうでも、暑くて解けそうでも、あいさつをすれば、いつも心に春が訪れる。
あいさつの力は本当にすごい。どんなに最先端の技術を使っても、あいさつには勝てないかもしれない。
私は今日もあいさつをする。「おはようございます」また心に春が訪れた。